WORK SHOP
 

 
①概要および目的
7月2日に北海道大学雨龍研究林(幌加内町)で森林ツアーと、7月3日に村山木材株式会社の役員所有山林(枝幸町)で樹皮採集ワークショップを行いました。森林ツアーは2年目、樹皮採集ワークショップは4年目で、村山山林では3年目となります。
 一般社団法人白樺プロジェクトは、「シラカバを北海道の持続可能な地域資源ととらえ、産業として、文化として地域に根ざす」ことを目的に活動をしております。
 ワークショップやサイエンスカフェなどを通して、森林や林業や地域の課題、特に広葉樹の保全と利用の問題を参加者と一緒に考えるプログラム作りを目指しております。

雨龍研究林では、
 白樺プロジェクトの活動の柱の一つである「シラカバを人の手で育てる」の理解を深めるため、2016年に掻き起こし表土戻しを行ったシラカバ天然更新実験林、2018年に樹幹下掻き起こしを行ったミズナラ天然更新実験林、そして、47年前に掻き起こし後無施業だった小径木カンバ林の間伐作業現場の視察を行いました。
 陽樹であるシラカバと、陰樹であるミズナラの天然更新実験林では、対比することにより天然更新に対する理解が深まったと思います。
 今回視察したシラカバの天然更新実験林は6年生で、成長量や密度管理や下層植生への影響など様々な観点から研究が行われていることの説明がありました。間伐作業現場では、掻き起こしした後、除伐や間伐などがないと細い木ばかりになることが分かりました。高林齢でも間伐すると影響があるのかなど今後の研究の成果が待たれます。また、フェラーバンチャ、プロセッサ、フォワーダなど林業機械を実際に動かして、作業の効率化への取り組みも紹介してもらいました。

6年生のシラカバを前に、研究林の吉田教授よりレクチャー。

2018年にミズナラ樹幹下掻き起こし地。ミズナラ等の稚樹。

47年生のカンバ林。掻き起し後除伐や間伐などがなく細い木ばかり。

集材道作成、伐木、木寄せを一台でこなす、フェラーバンチャ。

村山山林では、
 プロジェクトのもう一つの柱である「シラカバを高付加価値で使い続ける」を体感してもらうため、この時期にしかできないシラカバ樹皮採集を行いました。
 施業が行いづらい湿地帯であるため、将来的に高性能林業機械による伐採を行う予定がないシラカバ林を利用させてもらい、学生に森林の将来を想像してもらいながら選木してもらい、樹皮を剥がすことができるかどうか確認してもらったあと、全部で9本のシラカバ立木を伐採しました。
 樹皮を剥がすだけではなく、染料用に内樹皮を採集したり、鉛筆づくりのための丸太を確保したり、利用できそうな丸太や枝を持ち帰り、特に学生には今後の活動に役立ててほしいと思います。また、林内に伐採した木を放置しないように、なるべく薪として持ち帰りしました。
 また、2日目の夜は、名寄サンピラーパーク内の森の休憩村と、北海道大学名寄研究棟に分泊しました。森の休憩村のセンターハウスに集まり、参加者による各団体の発表会を行い、その後は各宿泊施設で交流を深めました。

やっと3本目に、剥きやすい木が。一気に一周剥いてゆく。

羊毛フェルトの染料用に内樹皮も採取します。

えんぴつ作りに使う丸太を道路まで運びます。

伐採した木をできるだけ残さないように。薪として持ち帰ります。

②主催:一般社団法人白樺プロジェクト(旭川市)/共催:北海道大学雨龍研究林(幌加内町)、北大森林研究会(札幌市)/協力:村山木材株式会社(枝幸町)、三井物産フォレスト(株)北海道事業本部(札幌市)
③参加者および開催地
7月2日 森林ツアー 34名 北海道大学雨龍研究林(幌加内町)
   森の休暇村での発表会 29名
7月3日 樹皮採集ワークショップ 37名 村山山林(枝幸町)
   (2日間総参加者41名)
(参加者内訳) 北大森林研究会15名、北海道大学大学院学生1名、早稲田大学人間科学科学生2名、北の森づくり専門学院2名、三井物産フォレスト(株)1名、村山木材株式会社1名、林産試験場2名、林業試験場2名、宗谷総合振興局森林室2名、株式会社ムーンバランス(京都市)2名、シロロデザイン(旭川市)1名、北海道大学雨龍研究林4名、パパスデザイン(旭川市)1名、木と暮らしの工房2名、粗清草堂(美深町)3名
 
④日程および内容
7月2日(土曜日)曇り
12:45 北海道大学雨龍研究林研究棟(幌加内町字母子里)集合
13:00 バスに乗車して研究林視察
16:30 森林ツアー終了
18:00 宿泊先の名寄市サンピラーパーク森の休暇村に集合、夕食途中、日向温泉入浴、翌日の朝食等の買い物
18:30 参加各団体の紹介および発表会
   ・北大森林研究会
   ・三井物産フォレスト(株)
   ・林産試験場
   ・林業試験場
   ・北の森づくり専門学院
   ・白樺プロジェクト
20:30 交流会(名寄研究棟での宿泊者は移動)
 
7月3日(日曜日)曇りのち晴れ
8:00 北大森林研究会の学生は先行して枝幸到着、村山山林を見学
9:00 枝幸町内国道238号線沿いの公共駐車場に集合
9:30 車13台で移動、村山山林に集合、注意事項等の説明、村山山林の紹介後、シラカバ立木を伐倒して樹皮採集
昼食
14:30 作業終了、樹皮、丸太、枝など積み込み、後片付け
15:30 朝集合した枝幸町内国道238号線沿いの公共駐車場に戻り、解散
 
7月4日(月曜日)
採集した樹皮の整理および保管作業。丸太の一部は鉛筆製作用に製材作業
採集した樹皮は、一部参加者が持ち帰り、残りの大半はプロジェクト内で高付加化価値利用の推進や、シラカバ樹皮のかご製作ワークショップ等などに用いられる予定です。

北大森林研究会の安齋代表から、会の活動発表

林産試験場渋井研究員の樹皮研究発表

今年も大人数で参加してくれた、北大森林研究会のメンバー

逸見さんが持ち帰った内樹皮で早速染めたウール×コットンのショール

⑤森林ツアー、樹皮採集ワークショップを終えて
2日間を通して天候に恵まれ、怪我や事故がなく無事にワークショップを終えることができました。
 昨年に引き続き、北大森林研究会の学生がたくさん参加して頂き、活気のあるワークショップとなりました。他にも新しい参加者も増えました。
 森林ツアーは研究林が広大な敷地ということも有り、バスでの移動時間が多くなりますが、このようにバスでまとまった人数が移動できて多様な実験林を見ることができるのは研究林ならではだと思います。森林に関わる参加者が多いので、森に詳しくない人からは少し難しかったという声も聞きました。参加者によっては、専門用語は解説を交えるなど工夫が必要かもしれません。全体的には参加者の満足度は高かったと思います。
 樹皮採集は、参加者が自ら考えて選木し、伐倒した木をなるべく余すことがないよう、利用できる部分は使おうとする気持ちを感じました。作業に夢中になる様子を見て、とても楽しい体験となっているのだと感じました。伐倒時には、作業者の指示に従い安全確保をしっかりし、樹皮採集時にはナイフなどを使う作業ですが、刃物の使い方に注意し、周囲への安全も配慮してできたと思います。樹皮以外にも内樹皮や丸太や枝など学生を中心に持ち帰り、また粗清草堂さんの協力で薪としてもある程度持ち帰り、片付けもしっかりして作業を終えました。伐倒した材の利用を考えるきっかけになってもらえればと思います。
 今回初めて行った、宿泊施設での各団体の夜の発表会は、とても興味深い試みとなりました。質問も多く盛り上がりました。
 また、夜の食事は名寄で人気のスープカレー店「KING BEAR」のお弁当を、樹皮採集の昼食は村山さんに枝幸町内の業者に用意してもらいました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。

2022.7.12 (文責:鳥羽山)